平成25年度司法試験合格発表と司法制度改革の必要性

平成25年度の司法試験合格者が発表されました。2049名の方が合格され、合格率は26.8%だったそうです。お祝いをいうべきところでしょうが、修習生の現状を考えるとそんな気分にはなりません。何年も続いている無謀な増員の結果、すでにどこの事務所も飽和状態になり、就職難ではなく就職不能な状態になりつつあるからです。司法試験に合格すると、最高裁判所に司法修習生として採用され、1年間の修習に入りますが、採用されると言っても今は給料はでません。給費制廃止という問題です。ただ、給料は出ませんが、大学や法科大学院と異なって授業料をとるわけではありませんので、修習生の受ける利益には依然として大きなものがあります。実務修習では、教官は現役の裁判官や検察官が務めますので、多忙な仕事の時間を割いて教育をしています。修習生は、民事裁判を扱う民事部、刑事裁判を扱う刑事部、警察から送られてくる事件の処分を決定し公判を担当する検察庁、そして弁護士のところへそれぞれ2ヵ月間派遣されて実務研修を受けます。最後に補完的な研修期間があって東京へ集まり、卒業試験に合格すれば、裁判官、検察官、弁護士になるわけです。この修習の中でも、弁護修習は個々の事務所が引き受けますので、事務所には大きな負担になります。一応、委託費のようなものが出ていますが、実質的にはボランティア活動以外のなにものでもありません。それでも弁護士が対応してきたのは、職務の公的性格に応えるという使命感と自分達もそうしてもらってきたという感謝の意識です。ただ、前者は、現行の司法制度が、利益の上がらない弁護士は淘汰されてしまえというシステムになってしまったので、理屈では矛盾が生まれています。利益競争で勝つには競争相手の能力は低いに越したことはないからです。後者は、純粋に数の問題が生じていて、異常な人数の増加で余りにも負担が大きくなりすぎているということです。弁護士の仕事は営利事業ではないと考える弁護士が、現在でも弁護士に公的責務を果たさせていますが、彼らが力尽きてしまったらどうなるのでしょうか。そもそも淘汰を予定するなら、合格者を増やす理由などあるのでしょうか?国民の司法制度に対する信頼を護り、その信頼に応えるためには、大胆な司法改革が必要になってきていると思います。(H25.9.22)【弁護士 森川】

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