湯川さん、後藤さんの殺害

イスラム国と名乗るテロリストグループが、拉致した湯川さんに続き、後藤さんをも殺害したようです。事実とすれば、許しがたい残虐な行為です。残虐な行為というとすぐに戦争が思い浮かびますが、実は戦争についてはルールがいくつもあって、残虐な行為は禁止されています。終戦後も戦争犯罪が問題になるのはそのためです。
もちろん、捕虜を殺害するなどという行為は論外です。
 今回の悲劇的な結果について、政府やヨルダン政府が非難されることがあるようですが、それは問題の本質を見失っています。悪いのはイスラム国と名乗るテロリストグループであって、他の関係者はすべて被害者であることを忘れてはいけません。今なすべきことは、われわれの代表である政府を非難することでも、危険の評価を誤ったため拉致されてしまった湯川さん達を非難することでもなく、残虐な人殺しを法に照らして処罰すること、被害の再発を防ぐ有効な方策を講ずることだと思います。
 誘拐された人命を助けるため、やむをえず大金が支払われる場合があります。そのお金が遊興に使われるのならまだいいのですが、次の誘拐、次の殺人のために使われてしまうと、間接的には犯罪の実行を幇助した結果になってしまいます。アメリカがテロリストと交渉しないという基本方針を策定して維持しているのはそのためです。一つの解だと思います。ですが、他にも解があるかもしれません。次の拉致が発生する前に、こういったケースでどのように行動するべきかを議論しておく必要があると思います。
 刑法には「応報」とい概念があります。「報い」という意味ですが、ごく乱暴に誤解を恐れずに言えば「仕返し」ということでしょうか。悪いことをすれば、こんな悪いことがあるぞということで、そのことによって犯罪を抑止しようという意味もあります。近代刑法ではあまり人気のある概念ではないのですが、人間も人間社会も本質的には変わっていないような気がするので、不愉快でもやらなければならないことがあるのではないかと思っています。
 亡くなられた湯川さん、後藤さんのご冥福をお祈りいたします。
(H27.2.01)【弁護士 森川】

弁護士ブログランキングに参加しています。よろしければクリックをお願いします。
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

"湯川さん、後藤さんの殺害" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。